App Folder (アップフォルダ): 『The Graveyard（ザ・グレイブヤード）』ある墓地での老婆を描く、メッセージ性を秘めたモノクロの風景 ★★★★

2011年11月13日日曜日

『The Graveyard（ザ・グレイブヤード）』ある墓地での老婆を描く、メッセージ性を秘めたモノクロの風景 ★★★★

【ライター】: demio-8 【ラベル】: アーティスティック, ゲーム, シンプル

The Graveyard by taleoftalestv
※ゲーム内容が分かってしまう為、プレイ予定の方は閲覧注意

本作はゲームにカテゴライズされてはいるが、何の予備知識も持たず購入した方はその短さに落胆するかもしれない。自分はまず、ポリゴンで描かれるモノクロの印象的なグラフィックと老婆が主人公というあまりない設定に興味を惹かれました。

ゲームはある墓地の入り口から始まり、プレイキャラである老婆を操作して教会までの道を進みます。ラジコンチックな操作方法でレスポンスは少し悪いが、杖を突く体の不自由なおばあさんという感じが出ているとも言えます。途中の脇道には行けず、教会までは一直線。教会のベンチに背を向けしばらくすると老婆が腰掛け、カットシーンへと進みます。

小鳥のさえずり、カラスや犬の鳴き声、遠くに聞こえるサイレンの音と街の喧騒。その中を杖突き歩く老婆の足音。モノクロで描かれる墓地の風景は光と影が移り変わり、物悲しくも美しい。プレイ時間の短さと相まってゲームとしての（「相互に作用する」という意味での）インタラクティブ性は低いですが、感受性が強い方であればあるほどプライベートな感情や想いへの作用は強くなるでしょう。自分もインパクトを与えられたうちの一人でした。

先日、All Souls Day（《カトリック》諸死者の記念日、万霊祭）として無料セールがあり、PC版と Mac版もダウンロードさせて頂きました。

決して万人にはオススメできないけれど、深いメッセージ性を持ち独特な存在感を放つゲームではないでしょうか？

※無料版と有料版の違いは下記。

Buying the full version of The Graveyard adds only one feature, the possibility of death. The full version of the game is exactly the same as the trial, except, every time you play she may die.